農業

若い世代を中心に広がるIT化

農業とスマートデバイスというのは結びつきにくいかもしれません。畑 (5)
経験と技術、耕耘機などの大型農業機械、そして天候、ここにIT技術が絡んでくるというのは想像しにくいでしょう。

ですが若手の農業経営者を中心にその導入が進んでいます。

各畑にカメラを設置し映像をパソコン上でリアルタイム管理します。
場所が異なる畑であっても一斉に比較しながら確認することができ、生育の遅れや他の畑との異なる状況などが分かりやすくなるのです。
肥料の不足や温度管理など不足している点があると思えば、スマートフォンを使って担当者に支持し、直ぐに対応を取ります。

少ないスタッフでも多数の畑を管理できる利点があります。
また過去の栽培データや生産方法がクラウドコンピューティングのサーバ上で保管することも可能です。

知識や技術、経験が少ない若手のスタッフであっても、このデータを参照したり、専用のソフトで分析された指示に基づいて生産を行なうことで失敗のない栽培を可能にしてくれるのです。
またもう1つの利点として現在の生育状況やどのように育てられたかのデータを、小売店などのバイヤーや消費者が直接パソコンやスマートフォン、店頭でリアルタイムに流す映像などによって確認することが可能になります。

植物の育成にもスマートデバイス

バイヤーは品質の良さや生育状況を確認して発注することができ、消費者は安心して購入できることでしょう。
スマートデバイスを使った農業生産は、太陽光を必要としない完全制御型の植物プラントという形でも採り入れられています。

植物の育成にはLED照明を用いますが、この照明をスマートデバイスによって自動制御されているのです。
また、栽培状況を現在の気温、水温のデータ、植物の画像を通じてリアルタイムで監視します。

さらに栽培記録を自動的にクラウド上に保存しておき、次回の生産時にはその記録を自動再生することで、過去の成功例をもとに自動栽培が可能となります。
日本で農業経営にIT技術を導入している割合は、2006年の農水省調査によれば24%です。

これは意外に多い数字と驚かれた方もいるのではないでしょうか?
ですが実際にはアメリカなど他国に比べると農業分野でのIT技術導入は遅れているといいます。

日本では農業人口の高齢化が進み、後継者不足も問題になっています。
食糧自給率がわずか40%と低い日本にあって、若い人たちが農業生産に携わることは重要なポイントといえるでしょう。

既に一部で始まっている完全制御型の植物プラントの導入が進めば、ほとんど未経験という方でも農業にチャレンジすることさえ可能となるかもしれません。
農業は重労働だからと躊躇することもなくなります。

また天候や栽培技術に生産量が左右されやすいデメリットも、過去の成功例や先輩が蓄積したデータを再生することで、経験が浅くても生産が安定し、安心して農業に取り組めることでしょう。